日本保育ソーシャルワーク学会研究倫理綱領
前文
日本保育ソーシャルワーク学会(以下、本学会)は、会則第3条の本学会の目的の達成に関わり、すべての人間の基本的人権と尊厳を最大限に尊重し、子どもと家庭の最善の利益および幸福の実現に資する社会的活動を全うするため、ここに本綱領を制定する。
日本保育ソーシャルワーク学会会員(以下、会員)は、保育ソーシャルワーク学の研究者・教育者・実践者としての社会的自覚と責任の下、研究・教育・実践活動等に携わるなかで、子どもと家庭の最善の利益を損なわないよう十分な配慮が求められる。
本学会は、上記主旨に基づき、以下の条項を定める。
(人権配慮義務)
第1条
会員は、研究・教育・実践活動等の実施および公表において、子ども・その家族・その他、すべての基本的人権を尊重し、配慮しなければならない。
(インフォームド・コンセント)
第2条
会員は、研究・教育・実践活動等の実施すべてについて、対象となる個人、団体・組織、地域、その他の関係者、情報提供者もしくは研究協力者に対して事前にその目的および内容等を十分に説明し、同意・了承を得ることを原則とする。
2 研究・教育・実践活動の協力者の同意・了承の判断が困難である場合には、研究・教育・実践活動の協力者を保護する立場にある者の同意・了承の判断を得なければならない。
(情報の保管・管理義務)
第3条
会員は、研究・教育・実践活動等によって得られた情報については、それを厳重に保管・管理し、研究・教育・実践活動の協力者の承諾なく、本来の目的以外に使用してはならない。
(研究成果の公表に際する社会的影響等への配慮)
第4条
会員は、研究・教育・実践活動等で得られた成果を公表する場合は、それがもたらす社会的意義、社会的影響に十分配慮して研究者・教育者・実践者としての責任を自覚して行わなければならない。
(個人情報の管理及び秘匿)
第5条
会員は、研究・教育・実践活動の協力者等の個人情報などが守られ、特定されることがないように、十分に配慮しなければならない。
(剽窃及び捏造等の禁止)
第6条
会員は、研究活動等の実施にあたり、他者の研究成果の剽窃、他者のアイディア等の盗作、調査データなどの偽造・捏造・改竄など、不正行為をしてはならない。
(多重投稿の禁止)
第7条
会員は、研究成果を原著論文等によって公表する際には、多重(二重)投稿してはならない。
(研究資金の適正使用)
第8条
会員は、研究資金を用いて研究等する場合は、研究目的に合わせて適正に取り扱わなければならない。
(共同研究者との権利及び責任の明確化)
第9条
会員は、共同研究等において、共同研究者の権利と責任を明確にしなければならない。
(ハラスメント行為の禁止)
第10条
会員は、研究活動等において、いかなるハラスメント行為もしてはならない。
(綱領の周知及び理解の促進)
第11条
本学会および会員は 本綱領の周知・理解と実行へ向けた研鑽の機会を持たなければならない。
(綱領遵守義務)
第12条
本学会および会員は本倫理綱領を十分に理解し、その徹底に努めなければならない。
(違反行為への対応)
第13条
会員が倫理綱領に違反する行為を行った場合には、本学会は会員の研究活動の公正性を確保するため、理事会が倫理問題調査委員会を設置しその事態に対応する。
(変更の手続き)
第14条
この本倫理綱領を変更するときは、理事会および総会の決議を経なければならない。
附則
本倫理綱領は、2018年12月1日から施行する。